本記事では基本情報技術者試験にも出題されるリスクアセスメントとリスク対応について解説しています。
目次は以下の通りです。
リスクアセスメント
リスクアセスメントは、組織やプロジェクトにおける潜在的なリスクを特定し、分析・評価するプロセスです。リスクアセスメントを行うことで、リスクの影響を最小限に抑えるための適切な対応策を決定することができます。
以下の流れで行われます。
リスク特定→リスク分析→リスク評価
リスク特定
リスク特定はリスクアセスメントの最初のステップであり、組織に影響を与える可能性のあるリスク要因を明確にする作業です。リスク特定の目的は、プロジェクトや業務において何がリスクとなりうるかを洗い出すことです。この段階では、可能性のあるリスクを漏れなくリストアップすることが重要です。
リスク分析
リスク分析は特定されたリスクがどのように組織に影響を与えるかを評価するプロセスです。リスク分析では、リスクが発生する可能性とリスクの影響の大きさを評価し、リスクレベルを算出します。この結果をもとに、どのリスクに優先的に対応すべきかが決まります。
リスク評価
リスク評価はリスク分析をもとに、リスクが許容可能かどうかを判断するプロセスです。リスクの優先順位を決定し、それに基づいて対応策を講じるべきリスクを選定します。
リスク対応
リスク対応はリスクを管理するための具体的なアクションを取るプロセスです。リスク対応にはいくつかの方法があり、状況に応じて最適な対応を選択します。主なリスク対応の方法としては、リスク軽減、リスク回避、リスク移転、リスク保有があります。
リスク軽減
リスク軽減はリスクの発生確率や影響度を低減させるための対策を講じることです。リスクを完全に排除することは難しい場合もありますが、リスクの影響を最小限に抑えるための手段は多くあります。たとえば、予防策を講じてリスクの発生確率を下げたり、リスクが発生した場合に備えて対処計画を策定することが含まれます。
リスク回避
リスク回避はリスクの発生を完全に避けるために、リスクが関わる活動やプロジェクトを中止することです。リスク回避は、特定のリスクが非常に高い影響を及ぼす場合に有効な対応策です。たとえば、高リスクなプロジェクトを中止する、危険な市場から撤退するなどの方法があります。
リスク移転
リスク移転はリスクを他の組織や個人に移すことで、組織がそのリスクから直接的な影響を受けないようにする方法です。リスク移転の代表的な方法には、保険の利用や契約におけるリスク移転条項の設定があります。これにより、リスクの負担を軽減し、予測可能な形で対応することができます。
リスク保有
リスク保有は、リスクを認識したうえでそのリスクを受け入れ、積極的に対応せずに保有する方法です。リスク保有は、リスクが発生した場合の影響が比較的小さい、またはリスクを管理するためのコストが高すぎる場合に選ばれることがあります。たとえば、小規模なリスクや予測される損失が限定的なリスクに対しては、あえて対応を取らずにリスクを保有することもあります。
まとめ
本記事のポイントを以下にまとめます。
・リスクアセスメントはリスク特定、分析、評価を通じてリスクを明確化するプロセス
・リスク対応はリスクを管理するための具体的なアクション
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