本記事では基本情報技術者試験にも出題されるCPUの性能について解説しています。目次は以下の通りです。
CPUとは
CPUはプログラムの実行を制御する装置であり、演算機能と制御機能を持ちます。情報の演算処理や記憶装置とのデータの読み書きを担当します。システムの性能はCPUの処理速度に影響され、高性能なCPUほど処理が速くなります。また、各装置の制御や演算処理を担当し、中央処理装置とも呼ばれます。
CPUの性能について
CPUの性能は命令数によって決まり、指標としてMIPSというものがあります。定義としては1秒間あたりに実行できる命令の数です。ただ命令数はすごく多いので、MIPSは100万個単位で表しています。
例を挙げると、1秒あたり300万個の命令数を出すとすると、3MIPSとなります。このMIPSの求め方なのですが、基本的にはクロック周波数とCPIがわかる必要があるので、そちらについて説明していきます。
クロック周波数とは
クロック周波数は1秒間に繰り返されるクロック信号の数を表します。CPU内の装置はこの周波数に合わせて同期し、処理や制御を行います。クロック信号は周期的な形になっており、下のような図を想定するといいでしょう。
↔は1周期を表していて、1クロックとなります。
CPIとは
CPIとは1命令に必要なクロック数を表します。なので、1命令に5クロック数必要なら5CPIとなります。
MIPSを求めよう
では、MIPSを求めていきます。
MIPSを求めるには1秒あたりの命令数を知る必要があり、そちらを求めるには1命令あたりの時間がわかればいけます。これは1命令あたりの時間は1秒あたりの命令数の逆数だから、1を1命令あたりの時間で割ればできます。1命令あたりの時間はCPIを用いれば可能で、以下のように書けます。
1命令あたりの時間=CPI×1クロックあたりの時間
1クロックあたりの時間はクロック周波数の逆数です。ゆえにMIPSは次のような計算式で求めることが可能です。
MIPS=1秒あたりの命令数/10^6
=(1/1命令あたりの時間)/10^6
=(1/CPI×1クロックあたりの時間)/10^6
=(1/CPI×(1/クロック周波数))/10^6
=クロック周波数/CPI/10^6
とりあえず一番下のみ覚えてもらえればいいと思います。MIPSやクロック数などを求めている際に大切になってくるのは周波数などの数を求めているのか時間を求めているのかをしっかり認識することです。
まとめ
本記事のポイントを以下にまとめます。
・MIPSとは1秒間あたりに実行できる命令の数
・クロック周波数は1秒間に繰り返されるクロック信号の数
・CPIとは1命令に必要なクロック数
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