本記事ではCNNについて解説しています。目次は以下の通りです。
CNNとは
CNNは、主に画像認識や視覚的データの解析に優れたパフォーマンスを発揮するディープラーニングの一種です。
別名畳み込みニューラルネットワークと呼ばれ、英訳するとConvolutional Neural Networkなので、略してCNNと呼ばれます。
CNNは人間の視覚的認識にインスパイアを受け、画像内の特徴を効率よく抽出することができます。よく犬や猫の画像の分類などはCNNの技術を用いられます。
CNNは、入力データから重要な特徴を自動的に学習することができ、従来の手法では難しかった大量のデータから意味のあるパターンを見つけることが可能です。これを実現するために、CNNは複数の層を組み合わせたネットワークを使用しています。主要な層には、「畳み込み層」「プーリング層」「全結合層」があり、簡易的な構成図は下図のようになっております。
畳み込み層
畳み込み層は、CNNの最も重要な層で、入力データから特徴を抽出する役割を担います。この層では、フィルタと呼ばれる小さな行列を用いて、画像を畳み込む操作が行われます。
畳み込みの過程で、フィルタが画像とかけ、この工程のことを畳み込み演算と呼びます。その結果として得られる集合体を特徴マップと呼ばれ、次の層の入力データとして渡されます。
畳み込み層が複数重なることで、ネットワークは低レベルから高レベルの抽象的な特徴を順次学習し、画像をより深く理解することができます。
畳み込み層は、以下の要素で構成されます:
フィルタ: 畳み込み操作に使う小さな行列で、画像の局所的な特徴を抽出する。
ストライド: フィルタを画像に適用する際のステップサイズ。ストライドを大きくすることで計算量が減少します。
パディング: 入力画像の周囲にゼロを追加して、出力のサイズを調整したり、情報損失を防ぐ。
プーリング層
プーリング層は、畳み込み層で抽出した特徴の「ダウンサンプリング」を行う層です。この層の主な目的は、画像サイズを縮小し、計算量を削減することと、特徴の位置に対する不変性を持たせることです。
プーリングには主に2種類の方法が用いられます:
最大プーリング(Max Pooling): フィルタ内の最大値を選択してサンプルします。特徴を強調し、重要な情報を抽出します。
平均プーリング(Average Pooling): フィルタ内の平均値を求めることで、特徴の平均的な表現を抽出します。
全結合層
こちらは一般的な多層パーセプトロン層と同じ構造なので、割愛します。
CNNの用途
CNNの用途としては以下のものがあります。
- 画像認識
CNNは、画像内の物体やパターンを識別する能力に優れており、画像分類タスクに広く使用されています。例えば、手書き数字の認識(MNISTデータセット)や、物体検出(COCOデータセット)などが挙げられます。 - 顔認識
顔認識システムでは、顔の特徴点を抽出し、個々の顔を識別するためにCNNが利用されています。スマートフォンの顔認証や監視カメラシステムなど、セキュリティ分野でも活用されています。 - 物体検出
CNNは、画像内で特定の物体を検出するタスクにおいても使用されています。物体検出アルゴリズムは、画像の中で物体の位置を特定するために畳み込み層を活用しています。
CNNは、視覚情報を扱うあらゆる分野で、その能力を発揮し続けており、今後もさらなる進化が期待されています。
まとめ
本記事のポイントを以下にまとめます。
・CNNは、主に画像認識などの解析に優れたパフォーマンスを発揮するディープラーニングの一種
・主要な層には、「畳み込み層」「プーリング層」「全結合層」がある
・CNNの用途は画像認識や顔認識などがある
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